2022/09/20 20:20
私は自然の中で過ごすこと、そしてもちろんファッションが大好きです。何気なくも大事な日常から沢山のインスピレーションをもらっています。
学生の頃からのヴィンテージ好きも手伝って、自身でブランドを始めてからほどなく、ヴィンテージの取り扱いやオーガニックコットンの使用、フェアトレード生産への参加など、部分的に取り組んできました。
ですがここ何年かは、簡単に作ったモノが大量に消費され破棄され続けていること、それが人々の価値観を狂わせ、自然に重大な影響を及ぼしていることに対しての違和感を感じながら仕事をしていました。
それが募り募った5年ほど前、これから私ができること、するべき仕事をもう一度考えた時に、これからの私がするべきクリエーションは何だったんだろうとじっくり考えた結果、まずは今まで自身のブランドの店舗だった古民家リノベーションの建物を、アートとクラフトのギャラリーとして運営し始めました。
美術大学でファッションとアートの勉強をしていた私は、いつかアートの仕事もしたいと心のどこかでいつも考えていました。私にとってのアートは大量生産でない美しいメッセージです。
20年以上服作りをしてきた私は、やはりその活動は続けたいとも思っていました。でも今までとは違う、キャリアも活かしつつも自分なりのメッセージをデザインし、手に取る人も私自身も心が動かされるような、ゆっくりと時間をかけた丁寧もの作りに向き合いたい。
そして、このレーベルを立ち上げることになったのです。
―デザインにじっくり時間をかけた丁寧なクリエーションで、簡単に流行を追っただけの最後にいらなくなるような無駄なもの作りはしない。社会や自然や人々に配慮した素材、長く着ることができる上質な素材を使い、なるべく全てに関わることのできる小さな規模でのもの作りをする。それは手に取る人を幸せにするための夢のあるデザインに時間をかけ、愛を注ぐこと。そして、そういった素材やアイテムが持つ見えないエネルギーをも纏う心地良さと美しさ、アップサイクルやオーガニックなどのサスティナビリティはもちろん、大切にデザインされ作られた物の持つ前向きさを一番大切にすること。―
すべては小さなことからになりますが、このクリエーションで、手に取っていただける方々はもちろん私達みんなが心から豊かな気持ちになれて、楽しく美しくなることを願っています。
野口アヤ