2023/07/29 11:37
”クリエイターとayanoguchiaya”と題して、ayanoguchiayaと関係の深いクリエイターの方々のアトリエにお邪魔したり、ayanoguchiayaを普段着ていただいている様子を見せていただいたりしながら少しだけお話も聞いて記事にまとめています。
3回目の今回は、陶芸家のつちやまりさん。
つちやまりさんの作品に葉山で出会って以来、20年来のファンである私は、自身の運営するシソンギャラリーで約2年前よりつちやまりさんの個展も開催しています。まりさんもayanoguchiayaの展示会やマーケットに来てくださったりと、たくさんの服を愛用していただいています。
そんなお付き合いも深いまりさんが、春先にご自宅とともに新しいアトリエに引っ越しされたということで、早速お邪魔してきました。
上野に程近い、文京区の小径や坂の多い雰囲気ある住宅街。煉瓦色の3階建ての一軒家が自宅兼アトリエとなっているそう。
(ayanoguchiayaのリネンドレスをペイズリー柄のシルクスカーフに合わせたまりさん。ちなみにスカーフも野口のフリーマーケットで購入してくださったもの。)
ドアを開けると、1階のガレージに大きな焼き窯があり、2階がアトリエ、3階が住居スペース、という2人のお子さんのお母さん業もこなすには動きやすいベストな環境。
そして壁には植物の絵が描かれた古い本の切り抜きや、まりさんの作る作品に度々登場する印判の花模様の修作が貼られ、アトリエのそこかしこに、鉢植え、生花、草花模様の生地や図鑑など、作品のインスピレーションとなっているだろうアイテムがちらばっている、まりさんの雰囲気そのものの空間。
(絵付けのデスク周り。よく見たらayanoguchiayaの下げ札が。なんだか可愛くて。とまりさんがかけてくれていた。)
まりさんは、カナダ留学を経て美術大学を卒業後、すぐにご自身の工房を構え、ハイアートの現代陶芸でもない、工芸品の陶芸でもない、独自の器を長く作り続けています。生活に根ざした、食卓に毎日登場する器であり、それは自然な流れで生まれてきたものだそう。
そんなどこにも無い、無国籍でどこか懐かしさもある魅力を持ったまりさんの器作品は、日々の慌ただしい時間から繰り出すメニューを一瞬にして楽しく豊かにしてくれる。
(生花を浮かべてキッチンに置かれていたまりさんの大型の器)
まりさんの作品作りと考え方に、深い共感を感じ、ますますまりさん好きになってしまった訪問でした。
(ayanoguchiayaのリバーシブルガウンドレスを羽織ってアトリエにいるまりさん)
つちやまり
Mari Tsuchiya
1974 神奈川県三浦郡葉山町生まれ。高校の時にカナダに留学。帰国後、京都精華大学にて作陶を学ぶ。葉山町の隣、秋谷にて築窯、長く葉山で活動し2016年東京都文京区へ移転後も精力的に作陶を続けている。
*まりさんの今までのストーリーをもっと詳しく知るインタビューはこちらからどうぞ → https://sison.tokyo/diary
文:野口アヤ 写真:チダコウイチ